No.10 酸蝕歯の発生から進行までのおはなし

酸蝕歯の発生から進行までの図

酸性の飲食物を摂取したとき、口内のpHが5.5以下になると、その酸性により歯のエナメル質が溶解する「酸蝕歯」が発生します。
歯の健康は通常、唾液の緩衝作用で口内が中性に戻り、さらに唾液の再石灰化作用でエナメル質が修復されるおかげで維持されているのです。
しかし、歯が酸に触れる時間が長い、頻度が高い、または唾液が少ない場合には、口内のバランスが崩れてエナメル質の溶解が続きます。
酸蝕歯が進行すると、いずれはエナメル質が失われ象牙質が露出します。象牙質はエナメル質より酸に弱いため、より速く酸蝕歯が進行してしまいます。
では、酸蝕歯が進行するとどうなるのでしょう。
歯髄神経が露出するため、虫歯の最終段階と同様の状態になります。
また、歯周病で歯ぐきが後退している場合には象牙質が露出しているので、酸蝕歯が進行する危険が高まります。
一度失われたエナメル質は完全に戻ることはありません。後戻りできない状態になる前に、しっかり口腔ケアを徹底していきましょう。